婦人科
当科の概要
佐野病院 切らない筋腫治療センター は2010年から内視鏡手術に特化し、4000件を超える子宮筋腫低侵襲治療を提供してきました。TCR(子宮鏡手術)では安全性と効率を高める術式を確立し、適応を広げることができ、実施数は3000件に達しています。
この術式を学会や書籍で発表してきました。全国から患者さんを受け入れ、「子宮全摘しかないと言われていたのに、重かった生理がとても軽くなくなりました」 とたくさんの声をいただいています。
「自分の場合はTCRでできますか ?」 とのご質問をよく頂きますのでお知らせします。
10cmを超える大きさでも生理の量が多ければ可能です。症状が消失し、子宮全摘を避けられます。また、不妊原因になる筋腫も生理の量が多い場合は適応になります。
※当科は、日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設で,京都府立医科大学付属病院が研修連携施設となっています。
子宮筋腫内視鏡手術(子宮鏡手術・腹腔鏡手術)
筋腫だけ取る従来の手術は「子宮筋層を切り開いて筋腫を取り出し、切った筋層を縫い合わせて閉じる」という方法でした。腹腔鏡手術では、へそから腹腔鏡(内視鏡カメラ)を入れ、下腹部の2箇所の5mmの切開から操作鉗子(専用の手術器具)を入れ、モニターを見ながら手術します。傷自体は小さくて済みますが、子宮筋層を切ったり縫ったりすることは開腹手術と同じで、子宮筋層へのダメージがあります。これに対して子宮鏡手術は、腟から子宮口を経由して入れた内視鏡で、子宮の内側から筋腫を確認し、先端の電気メスで筋腫だけを削り取ります。子宮を切らないので手術の翌日には退院が可能で、数日たつと仕事も再開できます。
治療の選択
子宮筋腫の疑いがある場合、子宮筋腫の正確なタイプ診断を行い、本当に治療が必要かどうかを検討します。治療にあたっては、さまざまな治療法の効果予測から、効果が期待できる治療法の長所と短所の比較によって、患者さまごとに漢方薬治療も組み合わせた最適な治療を選択します。
手術を行う場合も、次にご説明する最新術式を活用し、できるだけ患者さまへの負担が少ない方法を選択します。
診療体制
診療内容・診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
午前 9:00〜 12:00 |
婦人科 | 井上 | - | 井上 | 井上 | - | 井上 |
午後 13:30~ 15:00 | 井上 | - | - | - | - | - |
TCR (子宮鏡手術)
腹腔鏡手術は数か所の腹部創が必要ですが、TCRは腹部に傷がない究極の低侵襲手術です。
入院は2泊3日、経産婦は1泊2日も可能です。休業は入院含めて4日くらいです。
妊娠希望の患者さんには、子宮内癒着と内膜欠損が生じない術式を選択しています。
妊娠希望がなければ、多発例や大きな例では内膜アブレーションの併施をお勧めしています。
頸部筋腫と筋腫分娩はTCRの良い適応で、300g超のものも実績があります。MRIで漿膜下筋腫を鑑別し、尿管や子宮動脈を傷つけず完全摘出できます。筋腫分娩は出血していても子宮鏡観察下に基部から完全に切除でき、従来より行われてきた捻除法より安全・確実です。
子宮腺筋症は病巣切除に加え内膜アブレーションを行えば保険でできます。ほぼ無月経となるので、ディナゲストが必要な場合も出血の煩わしさが減り、子宮全摘の代替として有用です。
vNOTES (経腟的腹腔鏡手術)
子宮全摘はvNOTESを導入、既に80件行っています。腹腔鏡ではカメラと手術器具を腹壁経由で腹腔内に入れるため、腹壁に傷が必要ですが、vNOTESはカメラと手術器具を腟から腹腔内に入れるので腹壁の傷がありません。一般的なTLH (腹腔鏡下子宮全摘)やロボット支援下手術に比べ、術後の痛みがずっと軽く術後の癒着も少ない 「究極の低侵襲子宮全摘術」 です。
薬物による保存治療が困難な子宮筋腫の患者さんがおられましたら、高度な低侵襲治療の提供が可能な当施設にご相談ください。
初診時にMRI撮像・診断・治療方針の説明と相談が可能です。MRI画像があり貧血が治療されていれば、1か月以内の手術日を初診時に決めることもできます。
病院検索サイト『caloo/HOSPITA』
https://caloo.jp/dpc/disease/1039
手術数でわかるいい病院2024に掲載されました
子宮筋腫手術件数は337件で全国9位。兵庫県1位。
子宮鏡手術件数 は国1位。
医師1人あたりの手術件数 全国1位。(手術数でわかるいい病院2024 調べ)
「近畿産婦人科内視鏡手術研究会」第3回ビデオアワード 審査員特別賞受賞
切らない筋腫治療センター長井上医師が自ら撮影、編集を行い動画を作成しました。その結果、見事、審査員特別賞を受賞しました。
「動画で学ぶTCR」を出版
TCR における第一人者である井上医師が豊富な症例数の経験をもとに基礎的な理論から独自に開発したテクニックなど、動画付きでわかりやすく解説しております。※動画の撮影から編集まで井上医師が自ら行っております。
関連情報
「切らない筋腫治療センター」ホームページ
ドクター紹介
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